2×4(ツーバイフォー)工法のデメリットは克服されている
- T.T
- 2017年7月27日
- 読了時間: 6分

1.2×4(ツーバイフォー)工法の概要
1-1.2×4(ツーバイフォー)工法とは?
2×4(ツーバイフォー)工法とは北米などで最も主流の工法です。
木造枠組壁工法の1つです。 使われるランバー(厚板製材)の断面サイズが2インチ×4インチであることから、 この名前で呼ばれています。生産性や耐震性に優れ、火災にも強いのが特長です。 またオシャレな外観も2×4工法の売りとなっています。
断熱性が非常に高く、寒冷地に適しているため北海道などで採用されることが増えてきています。

1-2.今までの工法とは何が違うの?
従来の日本の伝統的な工法は木造軸組工法です。柱と梁の軸組によって組み立てていく、「線」で家を組み立てていく工法です。
これに対して木造枠組壁工法は壁、床、天井などの「面」で組み立てて支える工法です。箱状にした6面体を並べて作るイメージです。

1-3.どうして2×4(ツーバイフォー)工法は人気なの?
まずは一般的にいわれるメリットについて説明します。
2×4(ツーバイフォー)工法の場合
・耐震性・耐風性が高い
・気密性・断熱性・耐火性が高い
・工期が短い
・仕上がりが職人によって左右されにくい
・設計がシンプルなのでお客様にも理解されやすく、把握しやすい
在来工法の場合
・設計時の自由度が高い
・大きな開口ができる
・リノベーションが比較的容易
・施工できる業者の選択肢が多い
北海道の場合、気密性や断熱性の高さが重要視されやすく、冬場の火事が多いことから耐火性まで考慮する方がほとんどです。また、工期が長いとストレスを感じる期間が長くなってしまうので、そういった面から2×4(ツーバイフォー)工法を選ぶ方が多くなっています。
では次に気になる一般的にいわれるデメリットについて説明します。
2×4(ツーバイフォー)工法の場合
・リフォームがしにくい
・開口部などを大きく取れない
・設計時に制限がある
・施工できる業者が少ない
・壁内結露などの問題でカビなどが発生する
在来工法の場合
・工期が長い
・仕上がりが職人に左右される
・設計が複雑で理解しにくい
・古い住宅の場合図面が残っていない可能性がある
以上のようなデメリットがいわれてきました。しかし、おかしい部分がありませんか?
2×4(ツーバイフォー)工法は構造が把握しやすく、在来工法は複雑で把握しにくいのです。
なのにも関わらず、リフォームは在来工法がしやすいといわれているのです。
構造を把握しないで果たして家に手を加えることができるのでしょうか?

2.2×4(ツーバイフォー)工法に対する誤解
2-1.2×4(ツーバイフォー)工法は本当にリフォームしにくいのか?
2×4(ツーバイフォー)工法の客観的な事実を挙げてみましょう。
①
19世紀の初頭、資材不足と過酷な自然条件を背景に北米で生み出されました。開拓者たちが、安全かつ迅速に家をつくるという目的を果たすために発展したこの工法には、一定の品質を確保するために基本的なルールが定められています。
つまり、構造上のルールが明確である。そして、それによってリフォームができるかできないかを的確に判断できるということです。
②
基本となるルールがあるので、屋根の形、柱の位置、根太の方向などが仕上げを剥がさないでも事前にわかります。また、部材の種類も限られているので、その大きさも自ずと判明してきます。
つまり、不確定要素がないのです。
③
使用する構造材が規格化され、サイズが限られています。したがって、リフォームする場合も、どこにどのような材を使うかが明快です。また、使用する材を無駄なく活用することもできます。
つまり、材料が準備しやすく計画を立てやすいのです。
④
大規模な壁の移動や撤去、新設などが必要な場合、ツーバイフォー工法は新たに複雑な構造計算をしなくても安全なプランを立てやすいので有利です。何故なら、新築時の構造図から耐力壁線区画をつくることによって、どこが耐力壁か、動かせる壁か、といったことを判断できるからです。
また、全体の壁量が足りていれば、耐力壁をとることも可能です(ただし、壁線の4分の1以上の壁を残すこと)。さらに、まぐさを設け、まぐさ受けを立ててまぐさを補強することで、支持壁を撤去して開口部を広くすることも容易です。
つまり、容易に構造的な裏付けをとれるのです。
以上のことから、2×4(ツーバイフォー)工法の場合は、構造上のルールを知り、それを守ってプランニングすることで、リフォームを行うことは比較的容易になると結論づけることができるのです。

2-2.2×4(ツーバイフォー)工法は壁内結露が起こりやすい?
一般に壁内結露の原因は断熱性と気密性が高いため、換気が行われず水蒸気が逃げないために発生するとされてきました。さらに、断熱材が水気を吸うことで結露が起こり木が腐るといわれることもありました。
まず断熱材としてよく使用されるグラスウールを例に挙げてみましょう。
グラスウールは無機質素材と呼ばれるものでできており、吸湿性がありません。
つまり、水気を吸うことはないのです。
そもそも、内部結露の原因は断熱材に隙間があったり防湿が不十分だった場合に、湿気が壁などの内部に侵入することで生じるのです。
つまり、気密性が高いことは結露を防ぐ第1条件なのです。
かつては知識不足や不適切な施工が原因で こうしたトラブルが発生していました。 グラスウール以外の断熱材でも施工が適切でないと結露が発生する可能性はあり、
正しい施工こそが結露を防ぐ唯一の方法といえます。
さらに「通気層工法」と呼ばれる湿気を逃す構造で万全な対策がとられます。これにより、湿気が防湿層の継ぎ目などから壁内に入ってしまっても、通気層が抜け道となって速やかに外部に排出します。
さらに防湿シートを施工することで湿気を防ぎます。
現在では、内部結露を防ぐための防湿シート施工と通気層工法が確立・普及しており、正しく施工されたグラスウールにカビが発生することはありません。
2-3.2×4(ツーバイフォー)工法は設計の自由度が低い?
ではまた客観的事実を見ていきましょう。
規定である技術基準告示において、一般的には4m幅の開口、一つの壁区画の中で3/4開口率が確保出来るようになっています。
これは、日本の平均的な戸建住宅の場合には、設計上の制約にはまずなりえません。
ツーバイフォー工法の制約について 技術基準告示によると、耐力壁をバランス良く配置し、窓などの開口部は一定のルールに基づいて設定する必要などがあります。ただしその多くは耐力壁に関するもので、戸建住宅においてはまず設計上の制約にはなりえません。
まとめ
いかがでしたか?
2×4(ツーバイフォー)工法について調べるとネガティブな面が数多く出回っていることがわかりました。
確かに以前はそうだったのかもしれませんが、現在においては問題視されていたことは知識・技術・経験によって克服されてきたのです。
しかし、2×4(ツーバイフォー)工法が在来工法より優れているということではありません。
北海道などの寒冷地では断熱性を重視して2×4(ツーバイフォー)工法を使用し、通気性を重視したい気候の土地であれば在来工法を使用するといった使い分けが必要です。
是非建ててから後悔しない家づくりをしていただきたいと思います。
マーベラスホームでも2×4(ツーバイフォー)工法を採用しておりますので、千歳市近郊で住宅の建設をお考えの際には是非お気軽にご相談ください。

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